HACCPの中で、食中毒を発生させないためにお店でどのような対策をするか、重要管理点を理解することが必要です。
今回は夏場によく発生するウエルシュ菌についてご説明します。
ウエルシュ菌の食中毒は、夏場によく発生します。
特に、カレーや煮物などを室温放置した際に発生します。
肉や魚が保菌していることが多くなっています。
よく、カレーや煮物などは「火を通すとよい」と誤認しがちです。
しかし、この菌に対して、「加熱すればよい」は大間違いです。
ウエルシュ菌は芽胞という殻を形成し、芽胞は熱にとても強いです。
このため、芽胞を形成した菌は加熱しても死滅しません。
さらに、空気がないところでも増殖するとてもやっかいなものです。
この菌に対しては、中途半端な加熱と放置が一番危険です。
火を通しても常温に放置しておくとウエルシュ菌は増殖していき、
危険温度帯(10℃~65℃)を通過中に発生します。
ウエルシュ菌による食中毒の発生防止対策としては、まず増殖させないことが重要です。
それには、危険温度帯を素早く通過させることが必要であり、
加熱後、時間をおいてから提供する場合は、鍋ごと流水などで冷やす、
小分けにして冷却すると早く冷却できます。
HACCPの重要管理点としては、60分以内10℃以下または
30分以内に20℃以下冷却としてください。
また、空気を嫌う菌であるため、よくかき混ぜながら、加熱をすることも必要です。
レストランなどで熱いまま提供する場合は、65℃以上で保管するようにしてください。
ただし、調理後早めに提供することが望ましいです。