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HACCP導入における「危害分析」とは!?やり方・メリットを解説


 

HACCPを導入する際、最初に行う工程のうちの1つが「危害分析(危害要因分析)」です。
この記事では危害分析の内容や、やり方などを解説します。

 

危害分析とは

 

HACCPとは

HACCPとは「Hazard Analysis and Critical Control Point」の略で、

 

HA(Hazard Analysis)…危害分析
CCP(Critical Control Point)…重要管理点

 

で構成されます。

 

HACCPでは「危害分析(HA)」をし、その結果に基づいて、製造工程のどこでどのような対策をすれば安全な製品を製造できるかという「重要管理点(CCP)」を定め、これを繰り返すことで製品の安全を確保する取組みを行っていきます。

 

危害分析とは

危害分析は製品に起こり得る危害要因を全て洗い出す作業です。

危害分析をしっかりと行っていなければ、そのリスクへの対策ができないことになり、思わぬトラブルに繋がるおそれがあります。

 

危害分析はHACCPを行っていく上で重要な部分です。

次の項では、危害要因の種類にはどんなものがあるのかご紹介します。

 

危害要因の種類

危害要因には「生物的危害要因」「化学的危害要因」「物理的危害要因」の3種類があります。

 

生物的危害要因

「生物的危害」とは、微生物や寄生虫などによって引き起こされる健康被害になり得る原因のことです。

 

発生の原因となるものを大きく分けると細菌、リッチケア、ウイルス、原虫、酵母、カビに分けられます。
生物的危害で引き起こされる被害は主に食中毒で、深刻な被害をもたらす可能性もあります。

 

化学的危害要因

「化学的危害」とは薬品や洗剤、農薬などの化学物質が誤って食品の中に混入してしまう危険のことです。

化学的危害の原因は主に「材料と間違えて投入してしまった」「洗浄不足」です。

 

これには専用の容器を使用する、表記を大きくして分かりやすくする、保管場所を別にする、洗浄の徹底などの対策を行います。

 

物理的危害要因

「物理的危害」は通常、食品には含まれない異物が食品に混入することです。

 

プラスチック片や金属片の混入により口の中を切ってしまったりと、消費者に怪我を負わせてしまうおそれがあり、クレームとしても最も多いのが物理的危害要因による危害です。

 

その他の危害要因

 

・日付表示ミス
賞味期限・消費期限の記載ミスなどが該当します。
軽微なミスのように感じるかもしれませんが、お客様に健康被害をもたらす可能性は十分にあるだけでなく、問題のない製品まで大量に回収しなければならない事態も起こり得ます。

 

・アレルギー表記ミス
アレルギー表記ミスはアレルギーを持っているお客様がその食品を食べた場合、重大な被害をもたらす大きな危害要因の1つです。
お客様は表示されているアレルギー源の内容を信じて商品を購入するということを念頭に置いて、間違いのない表記をすることが大切です。

 

危害分析のやり方

危害分析は「HACCP導入の12手順(7原則)」のうち、「手順6(原則1)」に当たります。

 

製品説明書を作成し食品の特徴を洗い出す

危害分析を実施するにあたり、まずは「製品説明書」を作成します。

製品説明書とは、製造する食品の原材料、特徴、レシピをまとめたものです。

 

具体的には以下のような項目を記載します。
・製品の名称・分類
・原材料について注意すべき事柄(アレルギー物質の有無など)
・添加物の名称・使用量
・製品に課せられた衛生規範
・自社基準の衛生規範
・製品の保存方法
・消費期限・賞味期限
・製品の消費者

 

製造工程一覧図の作成

その食品の材料の仕入れから出荷までの全工程を抽出し、「製造工程一覧図」を作成します。
製造工程を書き出した後、各工程を「汚染区域」「準清潔区域」「清潔区域」の3つに分類します。

 

・汚染区域
外部環境に接しており、食品が汚染されるリスクがある区域

 

・準清潔区域
汚染区域から食品を受け入れ、食品を清潔に保つ区域

 

・清潔区域
最終製品を取り扱う、高い清潔レベルを保つ区域

 

製造工程一覧図と現場作業の乖離がないかチェックする

製造工程一覧図が出来たら、現場のスタッフに確認し、実際の製造工程と違いがないかを確認します。
現場のフィードバックをもとに、必要に応じて製造工程一覧図を修正します。

 

製品説明書と製造工程一覧図から危害要因をピックアップする

作成した製品説明書と製造工程一覧図から、各工程に潜む危害要因をピックアップします。

危害要因の中でも、一般衛管理では対応できないものや、予防と低減の両方が必要なものは「重大な危害要因」として挙げておきます。

 

危害分析の後のステップ

危害分析の後は重要管理点(CCP)の決定や、管理基準の設定などの手順に進んでいきます。

 

危害分析は1回で済ませず、何か不具合やトラブルがあったら繰り返し分析することも大切です。
また、現場からの意見も積極的に拾い上げて分析していくことで、より精度の高い危害分析をすることが可能です。

 

危害分析のメリット

危害分析を行うことで主に以下の3つのようなメリットがあります。

 

危害要因をスタッフ全員で共有できる

危害要因は、その工程を担当している部署では分かっていても、社内全体では把握していないケースが多くあります。

 

各部署のスタッフで構成されるHACCPチームによる危害分析を実施することにより、他の部署にも危害要因に関する情報が届くようになり、全従業員で情報を共有できるようになります。

 

これにより、会社全体で衛生意識を向上させることができます。

 

危害要因への対応の優先順位を明確にできる

危害要因にはすぐに健康に影響を及ぼすものとそうではないものがあります。

何が重要管理点で優先順位が高いのかを明確にすることで、取り組みの順序が分かりやすくなります。

 

問題が起こった時に迅速に対応できる

危害分析をあらかじめ行っておくことで、起こり得る問題をあらかじめ分析し、対策を事前に決定しておくことができます。

万が一問題が起こった場合にも、対応を最小限にすることができたり、スピーディーな対応ができるようになります。

 

危害分析はHACCP導入の中でも重要な項目

HACCP導入における危害分析とは何か、危害要因の種類、危害分析の方法などについてご紹介しました。

 

危害分析はHACCP導入の最初の段階です。
ここで確実な対応をしておくことで、その後の施策がスムーズに進みます。

 

危害分析の必要性を意識し、担当部門のスタッフと協力して手順を進めていくことが大切です。

 

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