HACCPの食品衛生管理に基づく従業員の身だしなみは社内ルールが大切
2020年6月から食品衛生法の改正に伴い
食品や食品用器具・容器包装などを扱う事業者に対してHACCPが義務化となりました。
HACCPでは食品の安全な管理はもちろん、従業員の衛生管理も重要な要素です。
そこで、食品事業者の身だしなみのポイントをご紹介します。
HACCPとは
HACCP(ハサップ)は簡単にいうと国際的な食品衛生管理の手法を指します。
Hazard(危害)、Analysis(分析)、Critical(重大な)、Control(管理)、Point(点)の頭文字を取っており
日本では「危害要因分析・重要管理点」と訳されることが一般的です。
HACCPはもともと米国のNASAの宇宙食を安全に生産するために作られたシステムで
世界保健機構(WHO)と国際連合食料農業機関(FAO)の合同機関である
Codex委員会により発表されたものです。
各製造工程における危害を再重要管理点として管理し
リスクを分析して人体に危害が起こる可能性を限りなく減少させるための衛生管理手法です。
HACCPでは各工程における危害要因がどういったもので
これをどのように除去するのかの基準を定めます。
この基準を逸脱してしまったとき、どうすればその製品を元のラインに戻せるのか
戻せないと判断された商品をどのように取り扱うのかを細かく決め
逸脱した商品が誤って出荷されないよう手順を徹底して管理します。
日本では服装の衛生管理について明確な基準はなし
本来、ユニフォームはHACCPに対応するためにバーコードで管理し
作業工程間の交差汚染を防止したり、クリーンルームで高温殺菌、微生物検査を行ったりと
作業着の衛生管理を徹底することが大切です。
現状、日本ではユニフォームについて明確な衛生管理の基準は設けていません。
しかし、事業者ごとにユニフォームレンタルサービスやリネンサプライといったサービスを利用して
クリーニングを依頼することで、従業員任せの洗濯で衛生品質に個人差が出たり
使用回数・使用状況が不明になることを防ぐことができます。
衛生管理のための身だしなみのポイント
常に清潔なユニフォームを着用する
ユニフォームから食品に食中毒菌が移らないよう
ユニフォームは常に清潔な物を着用しなければなりません。
従業員個人が作業着を管理している場合、従業員によって清潔感に差が生まれる為
社内ルールで「作業着は1回1回必ず洗濯する」「他のものと一緒に洗濯しない」
などを取り決め、徹底するようにしましょう。
ユニフォームの管理に差が出ないように
上記でご紹介したユニフォームレンタルサービスやリネンサプライを活用して
クリーニングとユニフォームの管理を一括依頼すると安心です。
休憩時や手洗い時は服を脱ぐ
トイレや休憩時間など、作業現場の外ではユニフォームが汚染される可能性が高まるため
必ず作業着を脱ぐようにしましょう。
特にノロウィルスに感染している者がいる場合
トイレを利用したときにユニフォームにウィルスが付着する可能性があります。
作業現場内とその外での服装ルールの徹底を行いましょう。
作業靴も清潔に保つ
作業靴は直接床に触れる為、特に汚染されやすいアイテムです。
日々しっかりと洗浄を行いましょう。
また、靴底に物が詰まりにくいものなど、製品選びも重要です。
マスク
マスクは鼻までしっかり覆います。
マスクの内側は飛沫等で汚染されていますので作業中は触ってはいけません。
ユニフォームに粘着ローラーをかける
ユニフォームに粘着ローラーをかけることで製造工程内への毛髪
やホコリの持ち込みを格段に減らすことができます。
ローラーは上から下にかけていくのが基本で、ローラーをかけた後にエアシャワー室を利用することで
さらに異物混入のリスクを減らすことができます。
爪はしっかりと切る
爪には雑菌が溜まりやすく、長い爪は割れや欠けが起こり
商品に混入する恐れがあるため、常に短く切っておきます。
出勤時に爪の長さをチェックするルールを設けておくと良いでしょう。
時計やアクセサリー類ははずす
時計やアクセサリー類にも雑菌が溜まりやすいので
必ず外して作業をするように徹底しましょう。
アクセサリー類の細かい部品やアクセサリーが落下し、食品に混入するおそれがあります。
また、指輪や時計は密着部分が蒸れやすく
そこに雑菌が増殖しやすいため、汚染を広げないためにアクセサリーを外した箇所も入念に手洗いを行いましょう。
異物混入防止のためのユニフォームのポイント
帽子
髪の毛などの異物混入を避けるためには毛髪が落ちないように
頭をしっかりと覆う帽子を着用します。
帽子にはさまざまなタイプがあり、長時間着用しても負担が掛からないよう
帽子でメガネを支えられるようになっていたり、マスク掛けが帽子本体に取り付けられているなど
工夫を凝らされた製品が多数発売されています。
上衣・パンツ
袖や衿元の内側からホコリや体毛が落下するのを防ぐことができる構造のユニフォームが必要です。
袖が2重になっており、インナー部分にゴムを入れたり
手首をホールドするなどの工夫がされていたり
ファスナーなどのパーツが付いているユニフォームではパーツが破損して
食品に混入しないような工夫がされている製品が登場しています。
*縫製方法
ユニフォームから糸くずやホコリ、チリが出ないように裁断部分を巻き縫いや
パイピング処理を施した安全性の高い縫製方法で、食品にホコリが落ちるのを防ぎます。
ユニフォームの色分けで作業内容を見える化
フロアや作業内容ごとにユニフォームを色分けすることで一目で作業内容が認識することができます。
ユニフォームの色分けは交差汚染の対策などに役立てることができます。
HACCP導入は専門家に依頼すると安心
HACCPの導入には法律などの専門知識が必要になります。
食品事故が発生した場合は社会的な信用失墜だけでなく
営業停止処分やHACCP導入を前提とした将来的な取引が消えるといったリスクが考えられます。
しかし、各種申請や面倒な手続きを普段の業務を行いながら進めていかなければなりません。
手続きに従業員がとられると業務の生産性低下につながります。
そこで、HACCP導入を専門としている行政書士などに依頼することで
普段の業務をストップさせずにスムーズに移行することができるだけでなく
法律的にも漏れなく手続きを進めることができます。
HACCP導入について気になることがあったらまずは行政書士に相談してみてはいかがでしょうか。
滋賀県守山市のHACCP導入は昌直行政書士事務所にご相談ください。
会社名:昌直行政書士事務所
住所:滋賀県守山市水保町1404-10
TEL:077-532-3815 / 090-5666-9062
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営業時間:9:00~18:00 定休日:土曜・日曜・ 祝日 (事前連絡で休日対応も可能ですのでご相談ください)
対応エリア:守山市
業務内容:HACCP導入