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HACCPの考えを取り入れたラーメン店の衛生管理では何をする!?


 

2018年6月13日に食品衛生法が改正されたことにより
2021年6月からは原則としてすべての食品事業者に
HACCPの考えに沿った食品衛生管理が義務付けられています。

 

HACCPによる食品衛生管理の方法は業種や事業の大きさにより異なりますが
ラーメン店でもHACCPに基づいた衛生管理が求められます。

 

ここではラーメン店のHACCPに沿った衛生管理について解説します。

 

ラーメン店で行う一般衛生管理

ラーメン店をはじめとした飲食店の一般衛生管理では以下の項目に注意する必要があります。

 

従業員の入室確認・健康確認

・従業員の体調・服装・髪はどうか?
・傷はないか?

 

原材料の受け入れ確認

・外装に汚損、異臭はないか?
・納入温度は適切か?
・使用期限・保存方法には問題はないか?

 

店舗内の点検

・床や内装、厨房は清潔か?
・窓・出入口は解放されていないか?
・害虫など有害生物は発生していないか?
・廃棄物置き場の清掃は行われているか?
・排水の処理状況は正常か?

 

冷蔵庫・冷凍庫の温度確認

・故障はないか?
・正常な温度が保たれているか?

 

調理機器の点検・清掃・殺菌確認

・異常はないか?
・清掃・殺菌を行ったか?

 

調理器具の洗浄確認

・調理器具の洗浄・消毒はされているか?

 

トイレの清掃確認

・清掃を行っているか?

 

手洗い

・従業員はこまめに手洗いを行っているか?

 

ラーメン店で行う重要管理

重要管理では食品を扱う際に10~60度の危険温度帯を避けるように管理することが大切です。
そのため、食材を温度帯ごとのグループに分けて管理します。

 

重要管理によるメニュー分類のポイント

・メニューを細かく具材に分けて分類する
ラーメンを構成している麺、スープ、トッピングはそれぞれ調理方法、管理方法が異なります。
細かくパーツ分けして分類します。

 

・加工品と自家製で分類する
チャーシュー、メンマは加工品を使用している、煮卵は自家製、など加工品か自家製かで区分を分けます。

 

冷蔵品を冷たい状態で提供する(10度以下)

・食材の例
ネギ、なると、コーン、バター、サラダなど

 

・食品管理のルール
提供する直前に冷蔵庫から出す。生野菜はしっかり洗浄殺菌して冷蔵保存する

 

加熱して提供・加熱後温存保存し提供(60度以上)

・食材の例
麺、餃子、チャーハン、ご飯など

 

・食品管理のルール
既定の加熱時間を守り、肉は中心まで火が通るように時間と温度をルール化する。
加熱後すぐに提供する。
ご飯は保温器で65度を下回らないように管理する。

 

加熱と冷却を繰り返す食材

・食材の例
煮卵、メンマ、チャーシュー、スープ、たれ、特製みそ、つけ麺など

 

・食品管理のルール
加熱調理後、すぐに清潔な容器に入れて冷却する。
再加熱する場合は中心まで十分な加熱を徹底する。
トッピング具材は提供直前まで冷蔵保存し、提供する際に冷蔵庫から出して盛り付ける。

 

常温保存の食材

・食材の例
海苔、コショウ、ゴマなど。

 

・食品管理のルール
密閉して害虫、害獣の危害の無い場所に保管する。
容器の中の食材には直接手で触れない。

 

ラーメン店で起こり得る食中毒発生と防止方法

ラーメン店でこれまで発生してきた食中毒の事例から起こり得る食中毒とその防止方法をご紹介します。

 

チャーシューの加熱後の冷却不良による芽胞菌の発生

チャーシュー、煮豚のような動物性たんぱく系トッピングの製造過程での加熱後の冷却不良では
芽胞菌の増殖の危険性があります。

 

正しく冷却を行い、保存をすることが大切です。

 

刻みネギの汚染

刻みネギの洗浄不足、殺菌不足により「除去」が不十分で
さらに保管温度が高めで推移した時間が長いことにより「増殖」が起こることがあります。

 

また、汚れた手、器具により「付着」し、その後長時間高い温度で保管したために「増殖」することも起こり得ます。

 

作り置きチャーハンのセレウス菌中毒

これまでチャーハン由来で起きている食中毒はセレウスで共通しています。

 

テイクアウトの場合には、時間の経過と共に保温状態が良ければ良いほどセレウスの増殖と毒素発生
保温状態が悪い場合には店員または客の手指に付着した黄色ブドウ球菌の増殖と毒素発生が考えられますので
お客様には早めの喫食をすすめ、すぐに喫食しないのであればすみやかに冷蔵庫に入れることを促します。

 

麺の硬さオーダーによる加熱不良にも要注意

ラーメン屋さんの中には麺の硬さをオーダーできるお店があります。
博多ラーメンに代表される細い麺は「粉落とし」と表現されるくらいにほとんど茹で時間を取らずに提供する店舗もあります。

 

食中毒菌が死滅する基準は一般的に75度以上で1分以上の過熱が必要です。

 

茹で時間30秒など、短い茹で時間では細麺ならではの硬い麺を楽しむことはできますが
手指に付着している黄色ブドウ球菌や大腸菌の危険性から鑑みれば安全な食事の提供が出来ているとはいえません。

 

生麺は10℃以下の冷蔵保存で菌の繁殖を防ぎ、十分な茹で時間で提供するようにしましょう。

 

HACCPの考えに基づきラーメン店が行うべきこと

HACCPの義務化に伴い、ラーメン店が行うべきことは
・衛生管理計画を策定する
・計画に基づく実施
・確認・記録

 

衛生管理計画を策定する

日々の業務と管理方法を客観的に見える形にするために「衛生管理計画書」を作ります。
それぞれの業務の管理方法をマニュアル化し、ルール化して従業員全員に周知し、お店全体で衛生管理に取り組みます。

 

計画に基づく実施

作成した衛生管理計画に基づいて日々の教務の衛生管理を行います。
管理項目をリスト化して漏れなく確認を行い、管理者だけでなく従業員全員が取り組めるようにします。

忙しい営業中でもチェックを忘れないように、管理者は既定の時間にチェックが行われているか確認しましょう。

 

確認・記録

日々のチェック内容は必ず記録しましょう。
保健所の調査が入った際に記録が残っていなければ管理していないとみなされてしまうこともあります。
記録はまとめてつけることはせず、都度記入するようにしましょう。

 

行政書士のHACCP導入サポートを利用するとスムーズ

ラーメン店のHACCPに基づいた衛生管理の方法をご紹介しました。

 

HACCPは導入義務に従わない場合罰則規定があり、2年以下の懲役または100万円以下の罰金が課されます。

 

とはいえ、毎日の業務をこなしながらHACCPを導入するのは難しいという場合もあるでしょう。
きちんと導入する為には専門家に依頼してお店に合った衛生管理を作っていく必要があります。

 

HACCP導入の際にはHACCP導入に特化したサービスを提供している行政書士に一度相談してみましょう。

滋賀県守山市のHACCP導入は昌直行政書士事務所にご相談ください。


会社名:昌直行政書士事務所

住所:滋賀県守山市水保町1404-10

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